平成28年度補正予算による「小規模事業者持続化補助金」が公募中である。小規模事業者が対象となるこの補助金は、

・商工会、商工会議所の助言等を受けて経営計画を作成する

・その経営計画にもとづき、販路開拓、業務効率化等に取り組む

ことが要件である。補助の対象経費は、機械設備費や広告宣伝費など幅広く、「使い勝手が良い」補助金として知られている。

 

■「経営計画」を十分に作り込めるか?

個人的な見解だが、小規模事業者持続化補助金の申請が採択されるか否かは、「経営計画が十分に作り込まれているかどうか?」にかかっている。自社を取り巻く外部環境を把握しつつ、自社の内情を確認し、今後の経営の方向性を定めて、実行のプロセス(=計画)に落とし込む、というごく当たり前のことを当たり前にできているかが評価される。補助金の使途となる補助事業も、この経営計画が起点となるので、経営計画の作り込みが不十分であれば、補助事業そのものも評価されにくくなる。

 

■補助事業には「新規性」「独自性」を盛り込めているか?

販路開拓とは、既存客とは異なる新たな顧客の開拓を意味し、したがって、新たにターゲットとする顧客を開拓するための方法を考えなくてはならない。具体的には、新たにターゲットとする顧客層を設定し、新規顧客を獲得するための新商品開発、広告宣伝などが考えられる。従来からの既存客に対する広告宣伝では、販路開拓の取り組みと解釈されにくい。

さらに、小規模事業者持続化補助金は、年々審査のレベルが上がってきていると言われており、新規性(従来の取組とは異なる点)や独自性(他社の取組と異なる点・創意工夫する点・特徴)が盛り込まれていないと高い評価は得られないと思われる。ここで、経営計画を作成する中で、顧客のニーズ・競合の状況・自社の内情について分析したことが活きてくる。自ら(自社)を知り、周り(顧客、競合)を知ることができれば、新規性と独自性を見出すこともできるであろう。