3月20日の信濃毎日新聞に「飲食店『得意の品』で存在感」という見出しの記事が掲載されていた。競争が激しい外食業界の中で、大手チェーン店との“ガチンコ対決”を避けつつ、独自のメニュー構成で存在感を高めつつある県内の飲食事業者の事例が紹介されている。
給与所得の伸び悩みや社会保障に対する将来不安などを背景に、消費者の節約志向が根強い中で、こうした飲食事業者の今後の動向が注目される。

飲食業界に限ったことではないが、中小企業が生き残るための戦略は、大手企業が参入できない(参入しにくい)分野、かつ自社が得意とする分野で、独自性を発揮し続けることである。具体的には、モノの希少性、サービスのきめ細やかさなどを打ち出し、そのレベルを高め続ける必要がある。また当然のことながら、得意分野を定めるためには、ターゲットユーザーの絞り込み・明確化を行うことも前提となる。

飲食サービスに限らず、衣料品などの小売業でも「デパート型総合店」より特徴的な「専門店」の方が善戦する傾向があり、「やることを決め、やらないことを決める」という戦略の定石を着実に実践することの重要性を示唆している。