6月下旬から3回シリーズで開催された「飲食店開業のための創業塾」で講師および事業計画作成支援を担当させていただいた。仲間の診断士やプロの料理人にも協力してもらい、一昨日無事に終了することができた。
飲食店に特化した創業塾は、どうやら長野県内では珍しいようだが、特定分野に絞った創業塾は、専門性をある程度盛り込むことができ、かつ受講者同士が目標を共有しやすい面もあり、その効果を実感できたのが収穫の1つだった。

長期にわたるデフレや節約志向の定着、市場の成熟化により、外食業界の競争は激しく、飲食店の開廃業率は相対的に高い。新規参入が比較的容易とされるラーメン店の場合、2年以内に15%が廃業していると言われる。新規開店の裏で、ひっそり閉まっていく店舗が多々存在しているのである。

そんな厳しい状況の中で、どうやって生き残るか・・・私は講座の中で、経営戦略の基本路線として、飲食サービス業としてQ・S・Cのレベルを引き上げる重要性を説いた。Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔)は、飲食店運営の基本要素であるが、このQ・S・Cが来店客にとっての価値になる。低価格を追求することが困難な小規模飲食店では、Q・S・Cレベルを高めることが、顧客にとっての「お値ごろ感」「満足感」を高めることに直結する。「美味しい」はもはや当たり前であり、接客、店の雰囲気などが、顧客さらに売上を増やせるかどうかの分かれ目だ。

この創業塾を経て、新規開店する方もいる。開業時の初心を大切にしながら、不断の努力を続け、繁盛店として発展していくことを切に祈念している。