今回はプロ野球が少し絡む話になるが、かつて「代走のスペシャリスト」として活躍した元巨人の鈴木尚広さんを取り上げた記事が先日の日経新聞に載っていた。代走で球場の雰囲気を変えられる選手は、いまだかつてこの人だけだったと思う。
資金力を背景に毎年のように大物選手を補強する巨人の中で、20年間選手として生き抜いたことは賞賛に値するが、そこには鈴木さんなりのしたたかさ、そして努力の積み重ねがあったことが記事で取り上げられていた。

大物選手が次々に加入し、試合に出ることも容易でない状況の中で、「自分にとって何が一番の強みで、チームに足りないものは何か?」を考える中で、代走というポジションを見出したと言う。そして、「勝負は準備の中で決まる」と試合の7時間前には球場に入り、入念なウォーミングアップを続け、さらに相手投手の癖を見抜く研究も欠かさなかったと言う。228の盗塁を成功させて、その成功率は82.9%だった。

鈴木さんは真の「プロフェッショナル」だと感じたが、考えれみればこれは何もプロ野球の世界だけの話でもない。我々士業の世界もまったく同じだし、会社組織で生きる者にとってもそうだ。そして、日々存続を道を探求している企業にも通じるものは多分にあると思う。