10数年前に広告代理店に勤務していた関係で、中小企業のプロモーションに対する相談において、広告宣伝に対して助言する場面も多い。
故松下幸之助氏は、広告宣伝についてこんな言葉を残している。
『良い製品であればあるほど、より早く、より広く、それを世間に知らせる義務が企業にはある。その義務を
果たすために、広告し宣伝をするのである』
「経営の神様」も語っている通り、規模や業種業態に関わらず、やはり事業活動においては何らかの広告は必要だ。広告代理店での職務経験や、診断士としての知見を踏まえると自信も持ってそう断言できる。とは言え、各企業の財務的な事情により確保できる広告予算はかなりの変動し、各社が活用できる広告媒体や投入できる広告量はまさに千差万別である。そしてもちろん、「効果」も厳しく問われる。限られた予算で効果を高めるために、何をどのように広告宣伝するか・・・難しいが、実に奥が深い。
広告は、ターゲットとする消費者に対して企業、またはその商品、さらにはブランドに対する認知度を高めるための手段である。認知度の変動は、広告の内容、頻度、回数などに影響されるが、消費者によりよい印象を残すための一種の「すりこみ」が必要である。したがって、広告は、断片的な「費用」ではなく、継続的な「投資」と捉えなくてなならない。広告の蓄積度が消費者の認知度の向上と比例することは、考えてみればきわめて自然なことである。
近々、販路開拓に関わる補助金の公募も予定されてあり、これは広告にも活用できる。中長期な視点から、自社や取り扱い商品に対する広告の蓄積度を今一度見直してみる良い機会にもできそうだ。