昨夜、商工会のセミナー講師を務めさせていただいた。セミナーでは、承継した会社を存続させるために経営計画をつくる大切さについてお話しした。事業承継については、このブログでもよく触れるテーマだが、後継者難に陥っている中小企業が多い中で、後継者がいることは何よりも貴重だ。今後会社をより発展させて欲しいという思いが私自身も強い。

■事業承継における後継者の責任
「事業」の承継とは、会社が保有している個別資産(現預金、不動産など)だけではなく、会社の経営権、信用や取引先、負債などのすべてを引き継ぐことであり、単純な遺産相続のような手続きで済ませることはできない。そうした中で、後継者には承継する会社の「変えるもの」と「変えないもの」を見きわめ、「後継者」から「経営者」になる責任がある。
社長になったからと言って、会社の経営がすんなりできるわけではない。日々の仕事で試行錯誤を繰り返し、徐々に自分の経営スタイルをつくり上げていくというのが自然だろう。経営者として新たに目指したいもの、実現したいものが見えてきたら、新たな経営理念や経営ビジョンなどを掲げてもよいと思う。

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■経営戦略の肝は「独自性」と「変化」
事業承継をしても、会社が存続できなければ意味がない。存続の要諦は「独自性」と「変化」だ。
中小企業では特に人材、資金、資産に限りがあり、ライバル企業との競争をすり抜けて事業を展開することが重要だ。自社の得意分野を見出し、その中で独自性を高めることが中小企業の戦略の定石と言える。
また、創業100年以上の長寿企業から学ぶべき点も多い。「老舗」と言われる企業は、経営環境の変化に対応して会社自体を変革してきている。たとえば、1598年に創業した綿半ホールディングスは、祖業が綿商であるが、明治初期に金物商に事業転換し、その後建設分野に進出し、さらに1970年代後半流通分野(綿半ホームエイド)にも参入している。会社の中身を変化させることで、400年の歴史をつくり上げている。

後継経営者として独自性と変化をどのように生み出していくか・・・そのプロセスを考えなければならない。

以下、次回につづく。