前回のブログでは、企業の存続には「独自性」と「変化」が必要だと記したが、もちろんこれは事業承継だけに限ったものではない。しかしながら経営者の交替は、前例にとらわれない変化に挑戦するきっかけになり、会社の中身を大きく変革する機会だ。

 

■大切なのは「どう変化さるか?」
経営戦略とは経営革新(イノベーション)そのものと言っても過言でないが、それではどのように事業の新規性を追求すればよいか?
人材、資金、資産などが限られる中小・小規模企業では、さまざまな事業を手広く展開することは難しい。「選択と集中」の重要性はしばしば指摘されるが、経営革新における新規性の追求も、自社の得意分野の中で進めるのが定石と言える。
自社の得意分野を理解するためには、「自ら」を知り「周り」を知ること、つまり経営環境の把握~分析が重要になる。

■「変化」と「独自性」を生み出すプロセス
会社の中身を変え、自社の独自性を確立することは容易ではなく、通常さまざまな障害(問題点)が存在する。この障害を乗り越えるためには、適正なプロセスと相応の時間が必要になる。このプロセスを経営計画として整理することはとても重要だ。
経営計画は、経営革新の成功を保証するものではないが、失敗するリスクを低減させることはできる。つまり、計画とは不確実な将来の予測であるものの、事前に予測を立てることで、直面する問題に対してそれなりの準備を予めしておくことは可能だ。

■「因数分解」で考える
計画は不確実な将来の予測であり、売上や利益などの数値目標が妥当かどうかの判断は難しい。特に売上の予測は「やってみないとわからない」要素が多いためだ。しかしながら、売上の予測精度をある程度高めることは可能であり、「単価×数量」などのように数値を「因数分解」することが有用だ
またプロセスを日々の仕事に結び付けるためには「行動計画(アクションプラン)」が必要になる。行動計画の作成でも「因数分解」の発想が役立つ。ここでの「因数分解」は、中学の英語で学んだ「5W2H」を活用し、具体的な行動内容に展開することだ。

■PDCAサイクル
計画は不確実な将来の予測であり、予測が外れる場合の方が多いかもしれない。大切なのは当たり外れではなく、計画は継続的に見直し、必要に応じて修正していく姿勢だ。広く知られる「PDCAサイクル」は、会社の存続にとってかなり重要である。