事業承継に関わる支援施策が継続的に打ち出されており、本日8月21日付の日経朝刊にも「中小後継者『お試し』支援」として、事業を引き継ぐ予定の人材を予め採用~雇用するための補助制度の創設が紹介されている。
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48777740Q9A820C1EE8000/)
事業承継の必要性・重要性はかなり広範に認識されてきていると感じるが、その一方で、事業承継がなかなか進展していない実態も容易に垣間見ることができる。
事業承継が進まない最大の要因は、「後継者の不在」だ。実のところ、中小・小規模企業の経営者にも承継に相応しい親族(たとえば息子)がいても、経営者が「継がせたくない」と考える場合もある。たとえば、現在勤務している会社から給料をもらっている方が良いだろう・・・・・というパターンだ。たしかに小さな会社の経営者になるよりも、大企業に勤務している方が収入も生活も安定する可能性は高く、かなり常識的な判断だと言える。
そこで、自分の代で会社を閉める(=廃業)という選択肢がある。もし経営状況が良好であれば、退職金らしき資産も残存する可能性が高い。しかしながら、廃業するにしても、在庫資産、不動産の売却が思い通りに進展するとは限らず、会計上の純資産がそのまま手元の残る可能性は高くない。
ここ最近私自身は、中小・小規模企業の事業承継を推進するためには、M&Aを積極的に活用すべきだという考えになっている。特に地方ではM&Aに対して、いまだに「乗っ取り」などの悪いイメージが抱かれることが多いようだが、M&Aは円滑に事業承継の問題を解決する有効な手段として、これから確実に定着すると確信するようになった。いわゆる「スモールM&A」は、大企業のM&Aとは異なり、比較的簡素に実現できる場合があるからだ。
次回に続く