農林水産省から「経営継続補助金」が公募される。
(詳細→https://www.maff.go.jp/j/keiei/keizoku.html)
すでに経済産業省で実施されている「小規模事業者持続化補助金」の農林漁業版とも言える農林水産業による支援施策で、新型コロナウイルス感染の影響を受けた農林漁業者の事業継続の支援を目的として2次補正予算に盛り込まれた。農林漁業者は経営基盤の強化に向けて有効に活用していただきたい。公募期間は1次受付が6/29(月)~7/29(水)であり、その後も2次受付が予定されている。
■制度の概略
制度の詳細は、上記リンクから公募要領を確認いただきたいが、暫定版のQ&Aもかなり参考になる。制度の骨格は「小規模事業者持続化補助金 コロナ対応特別型」にかなり近似している。
①対象者
常時従業員数が20人以下の農林漁業者(個人および法人)。新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少は要件とせず。
②「支援機関」の支援
農協・森林組合・漁協・農業経営相談所等による支援(確認書の作成・交付)が必須。
③補助金の内容
経営継続に向けた取り組みに対して補助率3/4(上限100万円)、新型コロナウイルス感染防止対策に対して定額(上限50万円)を補助。ただし、補助対象経費の1/6以上で「接触機会を減らす生産・販売への転換」または「感染時の業務継続体制の構築 」に取り組むことが要件。
④対象経費
機械装置等の設備導入費用、販売に関連する広報費用や展示会出展費用、新商品の試作開発に関わる費用、補助事業に関わる雑役務費(アルバイト代、人材募集費用)等々かなり広範。
⑤補助実施期間
交付決定日~今年12月31日
⑥他の補助制度との併用
補助の対象がバッティングしなければ、小規模事業者持続化補助金など他の補助制度とともに活用することが可能。
■申請のポイント
特に「接触機会を減らす生産・販売への転換」または「感染時の業務継続体制の構築 」について、具体的な内容を検討しなければならないが、公募要領などには以下が例示されている。各事業体の実情を踏まえて、必要に応じて上記の支援機関や中小企業診断士などの専門家とも相談しながら決定すると良い。
◇「接触機会を減らす生産・販売への転換に要する経費」とは?
・作業員間の接触を減らすための省力化機械等の導入
・作業員間の距離を広げるための作業場や倉庫等におけるスペース統合やレイアウト変更
・人と人との接触機会を減らす販売方法(ネット販売、無人販売など)の開始
◇「感染時の業務継続体制の構築に要する経費」とは?
・人員削減等に備えた「事業継続計画」の策定
・Web会議システムの導入
公募期間が1ヶ月の限られた時間であり、とにかく申請の準備は早期に着手することが望まれる。申請書(特に経営計画書)は、今後の経営戦略を十分に検討した上で作成することが必要であり、支援機関や専門家の協力を受けがら進めることをおススメしたい。