毎週金曜日の日経朝刊に「ヒットのクスリ」というコラムが連載されている。従来の常識に縛られない斬新な視点や発想が生み出したヒット商品のウラ側が取材されていて、記事は毎回興味深い。
7月22日の「企業の会議にギャル注入」の記事はかなり面白かった。CGO(チーフ・ギャル・オフィサー)を企業のミーティングを参画させ、忖度がない斬新な提案で議論を活性化していて、すでに数社から受注を獲得しているとのこと。記事によると、CGOサイトを運営しているバブリー氏(女性)が自身の経験をもとに、大学に進学してこのビジネスを起業している。

 

それにしても、「ギャルを送り込む」という発想が面白過ぎる!「日本の大企業は周囲に気を使いすぎて、なかなかコミュニケーションが進まないと聞いたので、ギャルの力を活かしたいと考えた」のが事業の出発点。会議などの合意形成や意見集約ではファシリテーターが重要な役割を担うが、それともまったく性質が異なる「異分子」は、無益な忖度を破壊するのに最適な存在なのだろう。

「ダイバーシティー」という語が広範に浸透してきたものの、実際に異分子を吸引して組織を活性化させている企業は、かなり少数派だろう。複雑化する経営環境において、企業の論理や常識に染まっていない意見や提案を尊重する組織文化がない企業が生き残るのはますます難しくなっている。
異分子を活用している有名な事例としては、ユーグレナがCFO(Chief Future Officer 最高未来責任者)という制度をつくり、18歳以下の若者の意見を積極的に取り入れている。

「地球のこれからについて子どもたちと語り合う中で、現在の経営陣だけでは「不十分」と気付かされました。未来のことを決めるときに、未来を生きる当事者たちがその議論に参加していないのはおかしい、と。」(ユーグレナHPより引用)

規模の大小を問わず、企業経営者には「異分子」に対する対応力・受容力がますますと求められている・・・・・私もギャルからそんな学びをもらった。